医師人生最大の経済的ピンチ?! 留学中の給料について

留学中の資産運用

 

「僕、子供3人いて留学したから1本(1000万円)なくなっちゃったよー。」「一時帰国中は当直バイトばかり。出稼ぎ労働者みたいだったけど、あれで何とか生きていけた。」など、留学帰りの諸先輩方の武勇伝的貧乏話?は尽きません。しかし、留学してみて実際に感じたのは、確かに収入は半減しますがポスドクの最低賃金はNIHの給与規定に沿っており、それほどひどい状態にはならないということです。

具体的には、下の表がNIH基準のポスドクの最低賃です。経験年数とともに昇給し、2019年度は2017年度と比較し5%程度アップしているのがわかると思います。これは現在好景気のアメリカではめずらしいことではないのですが、大学院で学位(PhD)を取得してすぐに留学しても5万ドルの給料が保証されているというのは少し意外に感じる人もいるのではないでしょうか。古い留学ブログを見ると、「NIH基準は守られていない場合が多い」と書いている人もいますが、少なくとも名の知れた大きな研究機関でそのような雇われ方をしている人は少数だと思います。私は最初日本からのフェローシップを持って留学し、NIH基準に足りない部分をボスに補填してもらう形で給料をもらっていたのですが、金額や期間などを書いたフェローシップの証明書を事務にしっかり提出させられました。「NIH基準以上で雇用している」ことを証明するのは彼らにとっても大切なようです。

J-1ビザで留学する医師研究者は2年間は納税が免除されますし、自己負担の健康保険料(施設によりますが$40-60/人/月ほど)の支払いくらいで、上記の給料の大半は生活費として使えます。私たちが留学していたベイエリアと言われる西海岸や、東海岸のニューヨークは家賃も物価も日本よりずっと高いですが、それでも何とか暮らしていける範囲ではないでしょうか。私たちはそれぞれ継続していくつかのフェローシップを獲得したり、夫は業績を出し途中から昇給したりで、出産という大出費がありつつも、事前の予想よりは経済的に恵まれたポスドク生活が送れました。ただ、勿論これは棚ぼた的に起こったことではなく、私たちがグラント書きなどに挑戦し続けた結果です(留学中のグラント・フェローシップについてはこちらをご覧ください【準備中】)。研究費獲得はそれ自体も業績として評価されるので、皆さんも是非積極的にチャレンジしてみてください。研究留学を終えて日本に帰ってすぐの頃に同期の医師に勝てるのは、研究に関する能力くらいです。最初は納得いくものが書けなくて苦労するかもしれませんが、きっとその経験も財産になります。ましてや、フェローシップは研究費と違いそのまま収入となるため、一石三鳥くらいの価値があります。私が獲得した一番小さなフェローシップは50万円ですが、それでもFXでそれだけ稼ごうと思えばそれなりにリスクをとり時間をかけ運用する必要があり大変です(2億り夫婦の資産運用についてはこちらをご覧ください)。留学を単なる経済的に苦しかった期間するか、それと向き合い資産運用や研究費獲得の能力を磨いた期間にするかは、留学する人次第なのかもしれません。どうせなら医師としても人としても生き抜く力を身に着ける有意義な時間にしたいですね。私たちは共通の趣味のようにどちらも頑張り楽しかったですし、結果として夫婦の絆も深まったように思います。

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