2億り夫婦は自動売買の仕組みを体験しつつ学ぼうと思い、2019年後半からインヴァスト証券「トライオートFX」のコアレンジャーデフォルトの設定のまま運用していました。
選んだのはバックテストで成績が良いAUD/NZDとEUR/AUDの2ペアです。
この体験で見えてきたコアレンジャー系自動売買の利点と問題点について考えてみます。
2億り夫婦のコアレンジャー運用実績公開
まずは2億り夫婦のコアレンジャー運用実績公開です。
通貨ペア | 取引損益 | 評価損益 | スワップ損益 | 合計 |
コアレンジャ―_豪ドル/NZドル | 65,171 | -468,671 | -29,163 | -432,663 |
コアレンジャ―_ユーロ/豪ドル | 576,907 | -220,828 | -41,175 | 314,904 |
合計 | 642,078 | -689,499 | -70,338 | -117,759 |
この結果はコアレンジャー系の利益率順ランキングともまずまず一致しています。
-コアレンジャー_豪ドル/NZドル: 1位
-コアレンジャー_ユーロ/豪ドル: 9位
① 豪ドル/NZドル(AUD/NZD)コアレンジャー
2億り夫婦の収支はマイナスながら、仕掛けとしては良いと考えています。
良いと思う点
A. サブレンジまで含めると、最近6年以上の相場をカバーしている(つまり基本的に放置が可能です)。
B. 狭いレンジで両建てにすることで、アグレッシブに利益を上げる仕組みになっている。
C. 買いポジションのマイナススワップが約 -0.3 (約-22円; 2020.01.25現在) と良心的。
コアレンジャ―系自動売買のメリットは、難しい設定などを考えずに注文できることです。選ぶのは「何セット買うか」だけです。
コアレンジャー_豪ドル/NZドルは推奨証拠金が1セット約26万円と低めで比較的安全なためおすすめです。
問題に感じる点
A. 推奨証拠金が26万円ですが、少し甘いかもしれません。より安全に運用するには、もう少し入金しておいた方が安心かもしれません。
B. 手数料が高め。インヴァスト証券さんが扱っている他の通貨ペアと比較して、豪ドル/NZドルの手数料(スプレッド分)がやや高めです。
② ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)コアレンジャー
2億り夫婦の収支はプラスながら、ちょっと攻めすぎでリスクが高いと考えています。
良いと思う点
豪ドル/NZドルコアレンジャーと同様、狭いレンジで30 PIPSおきに両建てトラップを仕掛けることで、アグレッシブに利益を上げる仕組みになっています。
2億り夫婦は10セット購入してまだ2か月強ですが、すでに約58万円の利確をしている破壊力はさすがです(なお、5セット以上まとめて購入するとコアレンジの発注数量が1トラップ1万通貨以上になり、手数料がお得になります)。
ご参考までに、買いポジションのマイナススワップが約-0.9 (約-67円; 2020.01.25現在) と少し大きめですが、EUR/AUDコアレンジャーの破壊力ならマイナススワップはほとんど問題になりません。
このままレンジ内で激しく動いてくれるといいですね。
問題に感じる点
上の「豪ドル/NZドル」と「ユーロ/豪ドル」のチャート(似たようなタイムスケールで並べています)を見比べて頂ければ一目瞭然、ユーロ/豪ドルレンジャーのコアレンジはとても狭いです(このレンジに両建てしているのが破壊力が出る理由です)。
カバーしているのはせいぜい最近2年間の相場のみで、今後本当にレンジ相場になるのか不明です。
そもそもリピート系のバックテストは、対象にしたい過去数年間の相場をまるごと含めれば、余程おかしな利確幅を設定しなければ必ず収益がプラスになるので、インヴァスト証券さんもサイトで説明している通り、表示される利益率は将来の利益率を保証するものではありません。
問題はこの先数年間(~十数年間?)同じレンジに入っているかどうかです。
従って、完全放置はできず、レートをモニターする必要があります。
というわけで、EUR/AUDコアレンジャーに関する2億り夫婦の戦略は、様子をみながら勝ち抜けにして、新たにビルダー機能を使ってカスタム自動売買に切り替えるつもりです。
コアレンジャ―がレンジを外れるとどれほどのリスクがあるのか試算
それでは、リピート系自動売買で想定レンジを外れるとどれくらいのリスクがあるのか、EUR/AUDコアレンジャ―を例にとって考えてみたいと思います。
上のグラフは、仮定として、現在のEUR/AUDレート = 1.6135、AUD/JPY = 7.454、ユーロ/豪ドルコアレンジャーを2019年11月に1セット所有(1.598-1.613間売りポジション6つを未決済で持つことになる)、このまま何かイベントがあって一直線にEUR/AUDのレートが上昇してコアレンジ、サブレンジを突き抜けたときの、それぞれのレートにおける含み損を計算したものです。
スワップポイントなど細かい条件は無視、また、上昇中一切下降がないという前提ですので、実際にはもう少し損失が減ると思いますが、急激に動けばだいたい現実に即した値となり、リスクとして知っておく必要があります。
少しわかりにくいですが、EUR/AUD = 1.652を境に傾きがきつくなることがわかります。
これはサブレンジには買い注文が入らないためです。
そして1.75に到達すると、1セットあたり含み損は365,718円になります。5セット持っていれば、5倍の約183万円、10セットだと365万円です。
みなさん十分な証拠金を入れてありますか?
ユーロ/豪ドルコアレンジャー1セットあたりの推奨証拠金は約45万円なので1.75は持ちこたえますが、2019年11月よりも前に保有された方は1.598以下にも売りポジションをお持ちだと思いますので、さらに注意が必要です。
結局、ユーロ/豪ドルコアレンジャーの爆発力は、このリスクを引き換えにしたものだということがわかります。
放置型投資をするためには、最低でも豪ドル/NZドルコアレンジャーくらいの広いレンジをとってトラップを仕掛ける必要があります。
これらのことを教訓にして、2億り夫婦は多通貨通貨ペアにリスクを分散させたトライオートFXカスタム自動売買を始めました。
こちらのページにご紹介していますが、どの通貨ペアも少なくとも過去10年の相場を含めるよう広くレンジをとって、放置型の投資を可能にしています。
広くレンジをとった結果としてリスクが管理・把握できて安全になりますが、その反面必要資金は多くなり、トラップはまばらになります。
ただ、何よりも大切な資産を失っては元も子もありませんし、安全に放置できるFX投資手法としておすすめします。
なお、トラップがまばらになって面白くないと心配されるかもしれませんが、10通貨ペアすべてを仕込むと1-3日で注文・決済が100件以上発生するくらいには動きますよ…(笑)。
コアレンジャ―_ユーロ/豪ドルのやめどきについて考察?
ところで、コアレンジャー_ユーロ/豪ドルをやめるのはいつが最適なのでしょう?
一番良いのは、コアレンジャーの稼働を一括停止して、残っているポジションが決済されるのを待つ方法です。下の図の紫色のボタンを押せば一発です。
ちなみにこのボタンを押しても保有しているポジションは決済されず、条件を満たしたときに決済されます。
一方で、一括決済して完全に終了させたい場合、相場がどのあたりにあるときに全決済するのがお得なのでしょうか。
やめる時には含み損を最小にしてやめたいですよね。これはコアレンジャーのリスクを理解するためにも重要なポイントだと思いますので、下に概念図を作ってみました。
二つの場合を考えます。まずは左側の、相場が手持ちポジション(ここでは8個)の中央付近にある場合です。
このとき、現在のレートより上に4つの買いポジション、下に4つの売りポジションが残っています。
それぞれのポジションの含み損は矢印の長さで表されます。
この8つの矢印の長さを足したものが合計の含み損になりますが、それは薄い三角形の面積に比例します。
一方で、右側の図の場合、つまり現在のレートが手持ちポジションの下限にいるとき、同様に考えると、8つの買いポジションの合計の含み損は、大きな三角形の面積で表され、つまり含み損は左の場合の2倍になります。
「レートが動けばその分決済されるポジションもあってプラスマイナスゼロになる」わけではなく、「レートが保有するポジションの端に行くほど含み損は増える」ことになります。
結論としては、ポジションの平均値に近いときに全決済するのが一番お得ということになります。ただ、ポジションの平均値に近いとき、やめる理由がない、というちょっとした矛盾にたどり着きます笑。
コメント